階段リフォーム!タイミングやリフォーム前に知っておきたいポイントについて
- リフォーム豆知識
古い家の階段は急勾配や滑りやすい状態が多く、安全性に関する悩みが尽きません。特に、踏み外しによる転倒や落下が発生しやすい場所であり、傾斜が急で足元が見えにくい階段は、高齢者だけでなくすべての人にとって危険です。大規模な工事をしなければ改善できないというイメージがありますが、状況によっては比較的手軽にリフォームすることも可能です。
今回は、階段リフォームを検討するタイミングや、知っておきたいポイントについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
階段リフォームのタイミング
階段のリフォームを検討する理由は、劣化が気になる、見た目を改善したい、またはより使いやすくしたいなど様々です。そこで、階段リフォームを検討するのに適したタイミングについてご紹介します。
不具合が発生したとき
階段を昇り降りする際にきしむ音が聞こえたり、長期間使用していると板にヒビが入ったり欠けたりすることがあります。このような状態では、そのまま使用することが危険な場合もあるでしょう。また、金属製の階段ではサビや腐食が発生することもあります。こうした不具合が見つかった場合には、補修や塗装などのリフォームを考慮することをおすすめします。
ライフスタイルが変わる時期
ライフスタイルは、妊娠や出産、高齢の親との同居、また住んでいる人の高齢化などによって変化します。こうしたライフスタイルの変化に対応するために、妊婦や幼児、高齢者が昇り降りしやすい階段にリフォームすることで、安全性を向上させることが可能です。
デザインを刷新したいとき
階段を使っているうちに、床材にキズがついたり、カーペットなどでは汚れが落ちずシミになったりすることもあるでしょう。見た目が気になるようなら、表面の張り替えなどのリフォームで、きれいに整えるのも一つの方法です。
階段以外のエリアをリフォームするとき
長い間同じ家に住んでいたり、中古住宅を購入して新たに住み始めたりする際に、リフォームしたい場所がいくつかある場合、階段の改修も合わせて考えてみてはいかがでしょうか。複数回に分けて小規模なリフォームを行うよりも、一度にまとめて施工することで、全体の期間が短縮されたり、コストを抑えられることもあります。
階段リフォーム前に知っておきたいポイント
ここでは、安全な階段にするための知っておきたいポイントについて、ご紹介します。
滑りにくい床材を選ぶ
階段の床材を選ぶ際、滑りにくさを重視するのであれば、コルクやカーペット、木材といった素材を検討すると良いでしょう。これらは滑りにくいだけでなく、クッション性も備えているため、万が一の転倒時にケガを軽減する効果があります。また、全体を改装するのが難しい場合でも、一部に滑り止めシートを貼ることで、安全性を向上させることができます。
足元の明るさを確保する
階段は通常の通路に比べて狭く、照明が高い位置に設置されているため、足元が暗くなりやすく、その結果、踏み外して転倒するリスクが増加します。このような危険を避けるためには、フットライトの設置や照明を増設することが効果的です。加えて、照明を組み込んだ階段材や手すりを選ぶことで、明るさを向上させることも可能です。停電時に自動点灯する照明を使用するのも良いアイデアです。
階段の照明は取り付けが難しいことが多いため、壁面に移動させたり、耐久性のあるLEDタイプに変更したりすることも考慮すると良いでしょう。また、明るめの階段材を選ぶことで、視認性が向上し、さらに安全性が高まります。センサー付きのライトを使えば、消し忘れや付け忘れを防げる上、夜中にトイレに起きた際もスイッチを探す手間が省けるため便利です。
手すりをつける
手すりは掴みやすさを考慮して、円柱型または上部が平らな形状を選び、左右両側に設置するのが理想的です。また、途中に手すりのない部分ができないように、連続して取り付けることが重要です。安全性を高めるためには、取り付ける壁の下地も十分な強度を持つように確認しておきましょう。
階段リフォームの種類
階段の形状には多くの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、設置するスペースに応じて最適なものを選ぶことが大切です。
直階段
直階段は上下階をまっすぐに繋ぐシンプルなデザインで、日本の住宅で広く採用されています。スペースを有効活用でき、コストを抑えることができるのが魅力ですが、一方で足を踏み外すと一気に落下する危険性があるため注意が必要です。住宅では、通常4メートルごとに踊り場を設けるルールがありますが、必要に応じて4メートル未満でも踊り場を設置することを検討するのも良いでしょう。
かね折れ階段
途中で90度に曲がったデザインが特徴です。この曲がった部分が踊り場となり、転落時の衝撃を和らげてくれます。踊り場を広く設けることで、中2階として利用することも可能です。また、階段の下のスペースは収納やトイレ、ワークスペースとして活用できます。ただし、途中で曲がるため、広いスペースが必要であり、狭い家には向かない場合があります。また、建築コストも高くなる傾向があります。
折り返し階段
折り返し階段は、U字型に曲がったデザインで、下階から上階にアクセスする際に一気に転落する心配が少ないため、安全性に優れています。この構造により、足の負担も軽減されるため、高齢者がいる家庭にも適しています。しかし、広いスペースが必要で、途中で曲がるため、大型家具の搬入が難しくなることも考慮すべきです。
カーブ階段
階段の一部または全体が緩やかな弧を描いたデザインです。主に輸入住宅やヨーロッパ風の住宅に取り入れられ、吹き抜けのエントランスやリビングに設置すると、高級感ある雰囲気を演出します。らせん階段よりも緩やかな曲線を持つため、上り下りがしやすく、大きな荷物を持っての移動もスムーズに行えます。ただし、広い面積が必要で、装飾にこだわることが多いため、他の階段に比べてコストが高くなる傾向があります。
らせん階段
1本の柱を中心にステップがらせん状に配置されたデザインで、直階段に比べてスペースをあまり取らないのが特徴です。おしゃれな見た目から階段リフォームでも人気ですが、中心に近づくほど踏むスペースが小さくなり、踏み外す危険があるほか、物の移動が難しくなることがデメリットです。コンパクトなデザインは狭小住宅やサブ階段にも適していますが、費用が高くなる傾向があるため、選択には注意が必要です。
まとめ
階段リフォームを行うことで、足元が明るく急勾配の階段を安全に上り下りできるようになります。特に歳を重ねて足腰が弱くなると、現状の階段が負担となることが増えますので、ライフスタイルの変化に合わせてリフォームを検討することが大切です。リフォームの種類は多岐にわたりますが、住宅の広さやデザインに応じた適切な階段を選ぶ必要があります。そのため、まずは住宅全体のデザインを見直し、理想的な階段にリフォームできるようにしましょう。