リフォームを検討するタイミング

バルコニー・ベランダは外と室内を繋ぎ、住まいに重要な役割を果たしますが、築年数が経つと劣化が進みます。劣化はリフォームの必要性を示すサインであり、そのタイミングを把握することが重要です。そのまま放置してしまうと、生活に不都合が生じることもあります。適切な時期にリフォームを検討し、環境を整えましょう。

亀裂などの床の経年劣化

バルコニーやベランダの床が劣化すると、防水機能が損なわれ雨水が浸透し、床の腐食や雨漏りの原因になります。特に二階に設置されている場合、床が抜けるリスクもあります。表面の亀裂や剥がれ、サビや腐食が見られたら、構造的な問題が生じている可能性があり、リフォームのタイミングを考えるべきでしょう。

排水溝が破損、水たまりができている

破損した排水溝は、ベランダやバルコニーで水たまりの原因となります。これにより水が建物内に侵入し、損害や構造上の問題を引き起こすおそれがあります。さらに、水たまりが床面を滑りやすくし、転倒事故の危険性を高めます。適切な排水設備をリフォームで整備することで、水害を防ぐ対策が可能です。

リフォーム時の注意点

ベランダやバルコニーの増設やリフォームを検討する際は、通常は専門知識のあるリフォーム業者に依頼するのが一般的です。簡単なDIYも可能ですが、注意点を確認することが重要です。ここからはベランダ・バルコニーリフォームの注意点について紹介します。

防水性・耐水性を重視する

ベランダやバルコニーは外部と直結するため、雨の影響を受けやすく、防水性・耐久性が必要です。劣化した場合、水はけが悪くなりカビやコケが生えやすくなります。また、床に雨水がしみ込んで雨漏りの原因にもなります。リフォームを考える際は、まずベランダの状態をチェックし、防水工事を優先的に行うことが重要です。

風通し、日当たりに気を付けて設計する

屋根を取り付けることで採光が不足し、柵を壁に変えると風通しが悪化する可能性があります。バルコニーのリフォームによって日当たりや風通しの問題が生じると、本来の目的を失ったり、隣の住居との問題が発生することもあります。リフォーム計画では、これらの要素を考慮して設計することが重要です。

増築時は「建築確認申請」が必要な場合も

ベランダの増設やサンルームへのリフォームなど後付けの場合、建築確認申請が必要です。特に、建物が防火地域や準防火地域外であり、増築面積が10平方メートル以下であれば不要です。ただし、増築することで建物の評価額が変動し、支払う固定資産税が増加する可能性があるため、注意が必要です。

マンションの場合、管理規約を確認する

戸建てではベランダのリフォームが自由に行えますが、マンションでは共有部分であるため、個人でのリフォームは制限されます。特に、ベランダは火災時の避難経路としても機能するため、荷物の置き方や構造の変更は禁止されています。ただし、一部のマンションではベランダの床面をタイルでカバーするなどの一部のリフォームが許可されている場合もあります。マンションでのベランダのメンテナンスやリフォームを検討する際には、まず管理規約を確認することが重要です。

予算別で考えるバルコニー・ベランダのリフォーム

バルコニー・ベランダのリフォームには、部分的な交換から全面的な大規模な工事までさまざまな選択肢があります。そのため、自宅の状況に応じて適切なリフォーム計画を立てる必要があります。ここからは予算別で可能なベランダ・バルコニーリフォーム内容について紹介します。

50万円未満でできるリフォーム

50万円未満の予算で、ベランダやバルコニーのリフォームが可能です。防水工事や高圧洗浄などのメンテナンスや、軽度な改修作業、さらにはタイルの設置が含まれます。この予算内で屋根の新設も検討できる場合があります。

50〜100万円でできる庭のリフォーム

予算が50万円から100万円未満であれば、「既存の構造を撤去して新たにベランダを設置する」といった大規模な工事が可能です。このような改修では、足場を組む必要があるため、費用が相応に高くなる傾向にあります。また、2階にベランダやバルコニーを付けることで、1階部分の屋根としての機能も兼ね備えることができ、使い勝手が大幅に向上します。

100万円以上でできる庭のリフォーム

予算が100万円以上あれば、広い面積の大型バルコニーを新設したり、サンルームを設置したりする工事が可能です。このような大規模な改修では、必要な建築資材も増えるため、費用が相当高額になる傾向があります。また、劣化が進んだベランダの場合でも、交換を行わずに大規模な補修を行う際にはこの程度の費用がかかることがあります。

まとめ

バルコニー・ベランダのリフォームは、防水工事や手すりの交換、屋根の設置などの部分的な改修から、サンルームへの変更やベランダの増設といった大規模な工事までさまざまな選択肢があります。使用目的や劣化の程度を考慮し、最適なリフォーム内容を選ぶことが重要です。また、ベランダやバルコニーは洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりする空間としても利用されますが、天候の影響を受けやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。塗装の剥がれやひび割れが見つかったら、早めに信頼できるリフォーム会社に相談しましょう。