おしゃれでちょうどいい収納!ニッチのメリットやおすすめの設置場所について
- リフォーム豆知識
家づくりの話題に上がることが多い「ニッチ」。壁の厚みを活かして生まれる小さなくぼみで、収納としても飾り棚としても使える便利な空間です。飾る物によって住まいに表情が生まれ、おしゃれなアクセントにもなります。ただ、せっかく取り入れるなら使い勝手の良い場所に設けたいもの。どこに配置すべきか、どんな見せ方ができるかを把握しておくことで、暮らしをより快適に、魅力的に演出できます。
今回は、ニッチのリフォームについて、メリットやおすすめの設置場所などをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ニッチのメリット
「ニッチ」とは、柱と柱の間にある壁の内部空間を活用してつくられる、壁面に凹みを設けた収納のことです。小物を置いても通行の妨げになりにくく、限られたスペースでも取り入れやすいのが特徴です。ディスプレイ棚としても優秀で、背面にタイルやアクセントクロスを貼ったり、照明を仕込んだりと、見せ方の工夫次第でぐっと雰囲気が高まります。
このニッチ収納を取り入れることで、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。
空間をスッキリ見せられる
壁の厚みを利用して飾りや収納を収められるため、家具を置く場合のように空間を圧迫しません。動線の妨げにならず視界もスッキリ保てるので、限られたスペースでも広々とした印象を演出できます。また、周囲の壁と素材や色味を揃えれば、空間に自然と溶け込み、より洗練された見た目に仕上がります。
おしゃれな空間を演出
ニッチを取り入れることで、空間に奥行きが生まれ、シンプルな壁が一気に表情豊かになります。凹み部分を活かして観葉植物やアートを飾ったり、照明で演出を加えたりと、デザインの幅が広がるのも大きな魅力。限られたスペースでも洗練された雰囲気をつくり出せるため、お部屋全体のインテリア性を高めるアクセントとして活躍してくれます。
小物を収納できるスペースに
ニッチは奥行きこそ浅いものの、日常で使う小物をすっきり収めるのに最適な収納スペースです。洗面所ならハンドソープや芳香剤、玄関なら鍵や印鑑など、置き場に迷うアイテムも壁の厚みを活かしてすっきりと配置できます。さらに、寝室のベッド周りに設置してコンセントや照明を組み合わせれば、スマートフォンの充電やナイトテーブル代わりにもなり、使い勝手がぐっと向上します。
住まいに個性と彩りをプラスできる
ニッチは収納としてだけでなく、空間の主役にもなる存在です。背面にタイルやアクセントクロスを用いたり、照明を仕込んだりするだけで、特別なディスプレイスペースに早変わり。お気に入りの雑貨やアートを飾れば、住まいに個性が宿り、「わが家らしさ」をさりげなく演出できます。
ニッチのおすすめ設置場所
ニッチは場所ごとに使い方が変わるため、適切な活用方法を知ることが大切です。設置された位置やサイズに合わせて工夫することで、より便利で魅力的なスペースとして活かすことができます。こちらでは、ニッチのおすすめ設置場所についてご紹介します。
玄関
玄関は“家の第一印象”を決める大切な空間です。ここにニッチを設けることで、季節の飾りや写真、アロマなどをさりげなくディスプレイでき、訪れる人を心地よく迎える演出が可能になります。また、鍵や印鑑といった細かな日用品もスマートにまとめられるため、実用性も兼ね備えたスペースに。照明を組み合わせれば、アートのような魅せる玄関をつくることができ、住まいの個性が一段と引き立ちます。
リビング・ダイニング
家族が集まるリビングやダイニングは、ニッチを最大限に楽しめる場所です。お気に入りの雑貨や写真、観葉植物などを飾れば、くつろぎの空間に個性が宿ります。設置する高さによって使い方を変えられるのも魅力で、低い位置なら雑誌を置いてカフェのような雰囲気を演出、高い位置ならディスプレイ棚として華やかさを添えることができます。
また、キッチン近くに設ければ、スマホの定位置や調味料置き場としても活躍。日常の動線を邪魔せず、見せる収納と便利さを両立できるスペースになります。
キッチン
キッチンまわりのニッチは、調味料やキッチンタイマー、ペーパー類などをすっきり収められる便利な収納スペースとして活躍します。よく使うアイテムは手に取りやすい高さに、破損の心配がない小物は上部のニッチへと、位置に合わせて使い分けが可能。カウンター下など届きにくい場所はストック置き場にするなど、工夫次第でより快適なキッチンへ。調味料を並べる“スパイスニッチ”として活用すれば、見た目も美しく、作業台が散らかりにくい実用性も期待できます。
階段
階段周辺はどうしても単調な印象になりがちなため、壁面を活かしたニッチ設置が好相性。お気に入りの雑貨やアートを並べれば、移動の時間がちょっと楽しくなるアクセントになります。本を表紙ごと見せるように飾れば、読みかけの一冊も手に取りやすく、ディスプレイとしても優秀。複数の小さなニッチを配置すれば、思い出の作品を飾る特別なギャラリーのような空間づくりも叶います。
トイレ
限られたスペースのトイレでは、壁に収まるニッチ収納が大活躍。トイレットペーパーや掃除用品などの生活感が出やすいアイテムも、すっきりと収めながら必要なときにすぐ取り出せます。また、飾り棚としての役割を持たせれば、芳香アイテムやお気に入りの雑貨で空間の印象を彩ることも可能です。収納用とディスプレイ用を分けて設けることで、機能性とおしゃれさの両立が叶い、日常的に使う場所がより心地よい空間になります。
洗面台
歯ブラシや歯磨き粉、髭剃りなど細かな日用品が集まる洗面スペースでは、ニッチ収納があるととても便利です。引き出しの中で迷子になりがちなアイテムも、壁面の決まった場所に並べるだけで取り出しやすく、散らかり防止にもつながります。また、トイレの壁にニッチを設けて小型の洗面ボウルを組み込めば、限られた空間でも手洗いが完結でき、使い勝手の良いレイアウトが実現します。
ニッチを取り入れる際の注意点
置く物と使い方を先に決めて計画する
ニッチ収納をつくる前には、設置場所と用途を明確にすることが欠かせません。家族が使いやすい動線を意識し、よく使うものは手の届きやすい位置に、あまり使わないものは高めに配置するなど、使い勝手を踏まえて計画しましょう。
やみくもに設置すると、結局使われないスペースになってしまうこともあります。玄関なら鍵や小物、リビングならインテリア、洗面所なら日用品といったように、置きたい物に合わせて形状や大きさを考えることで、見た目と機能の両方を満たすニッチ収納に仕上がります。
場所と用途に応じたサイズにする
ニッチは、設置場所や大きさ、形状が空間の使い勝手に大きく関わります。収納したいものが決まっていれば、必要な高さや奥行き、棚板の枚数などを設計段階で最適に調整できます。ただし、壁の内部には柱や配管が通っている場合もあり、希望した場所に設置できないこともあるため注意が必要です。動線や目線、置く物とのバランスを考えながら計画することで、空間にしっかり馴染む、使いやすいニッチになります。
つくり過ぎには注意する
ニッチは、取り入れるだけで空間を便利かつおしゃれに演出できる魅力的な要素です。ただし、雰囲気が良くなるからといってあれこれ増やしすぎると、壁面がゴチャついて見えたり、全体の統一感が損なわれてしまうことがあります。本来活躍するはずの場所が、使い道のない飾り棚として放置されてしまう可能性も。さらに、数が多いほどホコリがたまりやすく、掃除やメンテナンスの負担が増える点にも注意が必要です。
まとめ
壁の一部をくぼませてつくるニッチは、雑貨を飾る楽しみと、散らかりがちな小物をすっきり収められる実用性を兼ね備えたアイデアです。玄関やリビング、キッチンなど、場所に合わせて工夫すれば、空間にアクセントを生みながら暮らしやすさも向上します。
家の構造や壁の状態によっては設置が難しいケースもあるため、どの位置なら可能か、どんなデザインが合うかを専門家に確認することも大切です。用途に合わせたサイズや配置を考えながら、住まいにぴったりのニッチを取り入れて、心地よい空間づくりを楽しみましょう。