隠す収納で見せない工夫!床下収納リフォームのメリットや適した使い方について
- リフォーム豆知識
床下収納とは、床の下に設けられたスペースを活用した収納庫のことです。普段使われない床下を利用するため、床面積を減らさずに収納を増やせるのが大きな魅力です。もともとは点検口を兼ねて1階に設置されることが一般的でしたが、近年は2階に設置できる浅型タイプや、畳の下に設けられる製品も登場しています。収納が足りない、生活感を隠したい、災害用の備蓄品を置く場所が欲しいと感じる方にとって、床下収納は便利で安心な選択肢といえるでしょう。
今回は、床下収納をリフォームで取り入れるメリットや適した使い方などについてご紹介します。是非、参考にしてみてください。
床下収納の種類
床下収納を設置する際は、種類を把握したうえで、収納量や予算に合ったタイプを選ぶことが大切です。こちらでは、床下収納の種類についてご紹介します。
扉収納タイプ
両開きのドアを備えた構造で、片手がふさがっていても開けやすく、小物の出し入れに便利です。構造がシンプルでコストを抑えやすく、キッチンや洗面所、玄関など設置場所を選ばないのも魅力です。ただし、片方の扉だけを開けると間口が狭くなるため、大きな物の収納には不向きな場合もあります。
扉取り外しタイプ
フタ部分を完全に外せる構造で、通常の扉収納タイプよりも開口部が広く、大きな物の出し入れがしやすいのが特徴です。収納ボックスとほぼ同じ大きさでフタを取り外せるため、季節家電や布団などの大型アイテムもスムーズに収納できます。和室の畳下やリビングの隅などに設置されることが多く、通気性の良い住まいであれば場所を選ばず取り付けられる点も魅力です。
スライドタイプ
引き出しのように横にスライドして開閉する構造で、軽い力でも扱いやすく、年配の方にも使いやすいのが特徴です。蓋を持ち上げる必要がないため、調理中でもスムーズに使え、キッチンや洗面所での使用に適しています。ペットボトルやお米など重さのある物を収納するのに向いており、収納スペースを最大限活用できる一方で、かさばる物を入れすぎると開閉がしにくくなる点には注意が必要です。
引き出しタイプ
段差を活かして設置される引き出し構造で、深さのある大容量収納を確保できるのが特徴です。床下を大きく活用できるため、アウトドア用品や工具などの収納に適しており、玄関やリビングなどでの使用に向いています。1階以外にも設置できる点が魅力ですが、段差ができやすいため転倒には注意が必要です。
跳ね上げタイプ
跳ね上げタイプの床下収納は、特殊な金具によって重い蓋でも軽い力で開閉できる構造が特徴で、蓋を上に持ち上げて収納物を出し入れします。キッチンやリビングなど、頻繁に使う物の収納に適しており、床下に埋め込むタイプのほか、腰掛け程度の高さで据え置くタイプもあります。据え置き型なら部屋の広さや収納量に合わせて自由にアレンジでき、ライフスタイルに合った使い方が楽しめます。
床下収納のメリット
床下収納を設置したいと思いながらも、なかなか踏み切れない方も多いでしょう。こちらでは、床下収納リフォームを行うことで得られるメリットについてご紹介します。
収納スペースが増やす
床下収納の最大のメリットは、床面積を使わずに収納スペースを増やせる点です。キッチンや洗面所の小物をまとめて収納すれば、散らかりがちな場所もすっきり片付きます。床下は配管部分以外はデッドスペースとなっているため、和室の畳下やクローゼット下など、複数の場所に設置することで効率よく収納を増やすことができます。
空間を広く見せる目立たない収納
床下収納は床下に設置されるため、外から見えるのは床と同じ素材で作られたフタ部分だけで、目立たず歩行の邪魔にもなりません。「隠す収納」として機能するため、キッチンやリビングなど物が多くなりがちな場所でも生活空間をすっきり保てます。床下に収納スペースを設けることで、子どものおもちゃや掃除道具、大きくて邪魔なものなどを片付けやすくなり、見た目も整った広々とした空間を実現できます。
床下点検口としても利用可能
床下収納は、収納スペースとしてだけでなく、床下点検口としても活用できます。畳やフローリングを外さずに収納庫を取り外すだけで、シロアリ点検や水漏れ、土台のひび割れなどの確認がスムーズに行えるため、定期的なメンテナンスが簡単になります。リフォーム時に点検しやすい設計にすることで、さらにメンテナンス性を高めることができます。
床下収納の使い方
床下収納は便利ですが、収納できるものには限りがあります。うまく活用すれば、室内の散らかりを防ぎ、快適な空間づくりに役立ちます。こちらでは、床下収納の使い方についてご紹介します。
利用頻度の少ない物を収納
床下収納は床下に設置されているため、物を出し入れする際にはしゃがむ必要があり、特に深型の場合は奥のものが取り出しにくく、日常的な使用には負担を感じやすいのが特徴です。そのため、床下収納には使用頻度の低い物をしまうのが適しています。
たとえば、キッチンでは冬以外にあまり使わないガスボンベや大型の調理器具、お正月用の重箱などを、和室の畳下では来客用寝具や季節の装飾品など年に数回しか使わないものを収納するのがおすすめです。ただし、湿気に弱いおひなさまや五月人形の保管には向かず、また重すぎる物は取り出す際に負担になるため避けましょう。
食材を入れるなら腐らないものを
床下収納に食材を入れる際は、長期間保存できるものを選ぶことが重要です。腐敗すると収納内に悪臭が広がり、後片付けが大変になるため注意が必要です。保存に向いているのは、瓶詰めや缶詰、カップ麺、調味料、ジュースやビールなどの飲料類です。ただし、日常的によく使う食材は、取り出しやすい場所に置いたほうが便利でしょう。
防災グッズを収納
床下収納は、普段あまり使わない非常食や飲料水、防災グッズの保管に適しています。家族で収納場所を共有しておけば、いざというときにもスムーズに取り出せるメリットがあります。ただし、乾電池や懐中電灯、ラジオなどサビに弱い物は定期的に点検する必要があります。
また、地震などで床下収納のフタが変形し開けられなくなる可能性もあるため、防災グッズは複数箇所に分散して保管するのが安心です。特に、倒壊リスクが少ない洗面室の床下収納は保管場所としておすすめです。
日用品をストックしておく
床下収納は、普段あまり使わないけれど、必要なときに役立つ日用品のストックをまとめて保管するのに適しています。例えば、トイレットペーパーやウェットティッシュ、洗剤の詰め替え、掃除用品などを収納しておくと、在庫の把握がしやすく買い忘れを防ぐことができます。ただし、床下収納には最大積載量があるため、重すぎる物を入れると取り出しにくくなるだけでなく、荷重に耐えられなくなるおそれがあるため注意が必要です。
まとめ
床下収納はキッチンだけでなく、洗面所や和室などさまざまな場所に設置でき、条件が整えばマンションへの後付けも可能です。限られた床下のデッドスペースを有効活用することで、生活空間をすっきり整え、非常食や防災グッズ、季節用品など普段使わない物もまとめて収納できます。設置場所や収納物に注意し、湿気対策を行えば、暮らしをより快適にし、防災意識の向上にもつながります。床下収納を上手に取り入れることで、住まいの利便性と安全性を同時に高めることができるでしょう。