和室を洋室に!畳からフローリングへのリフォームについて
- リフォーム豆知識

最近では、結婚や出産といったライフステージの変化や、経年劣化による使いにくさを理由に、和室を洋室へリフォームしたいという声が増えています。戸建て・マンションを問わず、畳をフローリングに替えるリフォームは一般的で、単なる床材の変更にとどまらず、段差の解消や建具の交換、壁・天井の内装変更まで行い、空間全体を洋室化するケースもあります。こうしたリフォームによって、他の部屋との統一感が生まれ、日々の手入れも楽な快適な住空間が実現しますが、施工の際には注意したい点もいくつかあります。
こちらでは、畳からフローリングへのリフォームについて、メリットや注意点をご紹介いたします。
畳をフローリングにリフォームする理由
畳の魅力は、座ったり寝転んだりと床に直接触れてくつろげるところにあります。ただし、椅子やテーブルを取り入れて洋室のように使いたい場合には、畳よりもフローリングのほうが適しています。こうした暮らし方の変化に合わせて、畳からフローリングへのリフォームを検討する方が増えているのです。こちらでは、畳からフローリングへのリフォームを考える理由をご紹介します。
和室から洋室に変えたい
和室をカーペットで覆って洋室のように使っている家庭も多く見られますが、寝室や子ども部屋としてより快適に使いたい場合には、思いきってフローリングに変えることで使い勝手がぐんと良くなります。畳特有の和の雰囲気から一転、フローリングにすることで洋風インテリアとの相性も高まり、豊富なデザインやカラーから選べるため、空間全体の印象を大きく変えることも可能です。
和室とリビングを1つに繋げたい
リビングに隣接する和室を完全に洋室へリフォームし、仕切りをなくして一体化させることで、広々としたリビング空間にしたいというニーズがあります。リビングのスペースを拡張できるため、くつろぎやすさが増す一方、スペースが広がる分、家具の配置や収納計画を含めたレイアウトの見直しが重要となり、間取り変更を伴う大規模なリフォームになることもあります。
障子やふすまの傷みが気になる
畳よりも先に障子やふすま、出入口の引き戸といった建具が傷んでくるケースはよくあります。特に障子やふすまは破れやすく、使い方によっては短いスパンでの張り替えが必要になることも。そのような手間を避けるため、メンテナンスが簡単な洋室へリフォームしようと考える人が増えており、フローリング化を含む和室の洋室化が選択肢として挙がってきます。
畳をフローリングにリフォームするメリット
掃除・メンテナンスがしやすい
フローリングは、手軽に掃除やお手入れができる点が大きなメリットです。畳やカーペットのように汚れやほこりが繊維の奥に入り込むことが少なく、フロアワイパーやモップでさっと掃除できるのが便利です。また、市販のワックスシートやスプレーを使えば、汚れを付きにくくすることも可能です。メンテナンスも半年に一度程度のワックスがけで十分で、最近ではワックス不要のタイプも登場しており、普段の掃除だけできれいな状態を保てます。
重たい家具などの跡や傷がつきにくい
現在一般に流通している家具は洋室向けにデザインされているため、畳の部屋に重いテーブルやソファを長期間置くと、へこみや傷がつく可能性があります。その点、フローリングは家具の重みによる跡がつきにくく、耐傷性のある素材を選べばさらに安心です。お気に入りの家具を気兼ねなく置けて模様替えも楽しめるなど、フローリングへのリフォームには多くのメリットがあります。
老後や介護を見据えた暮らしに最適
フローリングへのリフォームは、年齢を重ねたあとの暮らしや介護にも柔軟に対応できる住環境づくりにつながります。年を取ると、布団よりも立ち座りがしやすいベッドを選ぶ人が増え、介護が必要になった際には、電動ベッドや介護機器など重量のあるものを置くことも想定されます。こうした場面では、畳よりもフローリングの方が安定感があり、機器の設置や移動もしやすくなります。さらに、床の段差が少ないためスリッパの着脱が不要になるなど、日々の動作の負担も軽減されます。
フローリングにリフォームする際の注意点
防音性を意識してリフォームする
フローリングは畳に比べて薄いため、防音性能が低く音や振動が伝わりやすい特徴があります。特にマンションやアパートでは隣室への騒音トラブルを避けるため、防音床材やクッション性の高い素材の使用が重要です。畳からフローリングに変更する際は、防音性能をしっかり考慮し、遮音性の高い複合フローリングや防音マット付きの床材を選ぶことが求められます。
湿気対策を徹底し、カビの発生を防ぐ
フローリングは湿気に弱く、特に浴室やキッチンなど湿度の高い場所ではカビの発生が懸念されます。畳は通気性が高く湿気を吸収しますが、フローリングにはその機能がありません。そのため、畳からフローリングに替える際は、防水性や調湿機能のある複合フローリングを選び、こまめな換気が必要です。湿気対策をしっかり行わないと結露や床の劣化が起こるため、全体的な湿気対策も検討しましょう。
足元の冷えを防ぐ床にする
畳に比べてフローリングは冬場に足元が冷たく感じやすく、空気を含まないため季節の影響を受けやすい特徴があります。こうした冷え対策として、床下に断熱材を入れることが効果的で、複合フローリングなら床暖房の設置も可能です。足元の快適さを保つために、断熱対策や暖房設備の導入をぜひ検討しましょう。
押入れやふすまなどもあわせてリフォームする
和室をフローリングにリフォームすると、もともとの押入れやふすま、障子が空間の雰囲気に合わず、ちぐはぐな印象になることがあります。洋室の雰囲気に統一するためには、押入れをクローゼットに、ふすまを洋風の引き戸に、障子をカーテンやブラインド、ロールスクリーンに変更するといった工夫が必要です。また、この機会にクローゼット内の湿気・結露対策として断熱材の施工や床の補強をあわせて行うと、快適さがより高まります。
まとめ
畳からフローリングへのリフォームは、部屋の雰囲気を一新し、より快適な暮らしを実現する手段として広く選ばれています。床材を変えるだけでも印象は大きく変わりますが、リビングとつなげて空間を広く見せるなど、生活スタイルに合わせた間取りの工夫を取り入れることで、より使いやすい住まいにすることも可能です。一方で、リフォームには費用や工事内容の違いがあるため、事前にしっかりと情報を集め、目的に合った方法を検討することが大切です。納得のいくリフォームにするためにも、将来の使い方を見据えて、慎重に計画を立てましょう。