おうちをおしゃれ&快適な空間に!エコカラットのメリットや注意点について
- リフォーム豆知識

近年注目されているエコカラットは、日本の高温多湿な気候に合わせて開発された内装用壁材で、調湿やニオイ対策に優れた機能を備えています。湿気や結露、生活臭など、日常の悩みを軽減し、快適な住まいを実現。さらに、デザイン性にも優れていることから、リフォームで最適な壁材として人気を集めています。
今回は、エコカラットへのリフォームについて、メリットや注意点をご紹介いたします。
エコカラットとは
エコカラットは、住宅設備メーカーLIXILが開発した室内用の壁材で、湿度の調整やニオイの軽減といった空気環境の改善に役立つ高機能タイルです。原料には粘土や鉱物が使われ、表面には目に見えないほど微細な孔が無数に空いています。この構造が、空気中の水蒸気やニオイ成分を吸収・放出することで、快適な湿度を保ちつつ不快なニオイも抑えてくれます。
また、表面は水をはじくため汚れにも強く、掃除がしやすいのも特長です。さらにデザインやカラーのバリエーションも豊富で、インテリア性にも優れているため、住宅やオフィスなど幅広い空間に取り入れられています。日本の多湿な気候に対応した、機能性と美しさを兼ね備えた壁材として注目を集めています。
エコカラットを使用するメリット
エコカラットは、調湿だけでなく、さまざまな機能をあわせ持っています。こちらでは、エコカラットを使用するメリットについてご紹介します。
調湿効果がある
日本のように季節ごとの湿度差が大きい環境では、室内の空気管理が悩みの種です。エコカラットは、土壁の性質を取り入れた多孔質素材で、湿気の多い季節には余分な水分を吸収し、乾燥する冬場にはゆっくりと湿気を放出。年間を通じて快適な湿度を保ちます。その効果は珪藻土の4~5倍ともいわれ、リビングの蒸気や脱衣所の湿気、寝室の乾燥対策にも効果的。結露やカビ、ダニの発生も抑えられ、空間全体が心地よく保たれます。
脱臭効果がある
家の中にこもりがちなさまざまなニオイを元から吸着・脱臭する効果があり、生ゴミやタバコ、ペット、トイレ、玄関の靴のニオイなど、生活臭全般に対応できます。ニオイの原因となる成分を取り除くため、複数の臭いが混ざった場合でもすばやく空気をリフレッシュ。珪藻土や一般的な壁材よりも短時間で効果を発揮するため、焼肉後のニオイ残りや介護臭の軽減などにも役立ち、快適な室内環境を保つことができます。
水拭きでお手入れしやすい
エコカラットプラスは、従来の調湿建材では難しかった水拭きによるお手入れが可能になり、清潔さをより長く保てるようになりました。水ハネや皮脂汚れ、コーヒーの染み、たばこのヤニなども、家庭用洗剤やメラミンスポンジを使えば簡単に落とせます。洗面所やトイレなどの水回りでも使いやすく、気になる汚れをすぐに拭き取れるため、毎日の暮らしの中で美しさと清潔感を手軽にキープできます。
豊富なデザインから選べる
調湿や脱臭といった機能性だけでなく、空間を彩るデザイン性の高さでも支持を集めています。木目調や石目調、和モダンからラグジュアリーなスタイルまで幅広く展開されており、豊富なカラーバリエーションから空間に合ったものを選べます。
特に人気のストーングレースは、程よい重厚感で上質な雰囲気を演出。リビングの壁に採用し、間接照明と組み合わせればタイルの陰影が際立ち、より洗練された空間に。限られたスペースでも取り入れやすいデザインパッケージも用意されており、インテリアの一部として楽しめるのも魅力です。
エコカラットを使用する際の注意点
見た目や機能に優れたエコカラットですが、実際に取り入れる前に知っておきたい注意すべき点もあります。こちらでは、エコカラットを使用する際の注意点についてご紹介します。
壁紙より費用がかかる
一般的な壁紙に比べて費用が高く、設置には本体価格に加えて接着剤や下地処理などの施工費も発生します。さらに、トイレなどの狭い空間では割高になる傾向があり、十分な効果を得るには床面積の1/4以上の壁面に施工することが推奨されているため、設置場所や範囲をよく考えたうえで取り入れることが大切です。
衝撃に弱く、傷つきやすい
エコカラットは焼き物のため、硬いものがぶつかるとひび割れや欠けが生じやすく、掃除機や家具の接触によって破損することもあります。小さな傷であれば補修材で目立たなくすることも可能ですが、基本的には衝撃に弱いため、家具を頻繁に動かさない場所への施工がおすすめです。
また、フックやビスを取り付ける際に金槌を使うのは避け、電動ドライバーを使用するようにしましょう。なお、穴を開けた部分は元に戻せないため、施工後の取り扱いには十分な注意が必要です。
穴を開けることができない
素材の特性上、施工後に釘や画鋲などで穴を開けることができないため、ポスターやカレンダー、壁掛けの家電などを後から取り付けるのは困難です。特にエアコンやテレビなどの設置を予定している場合は、エコカラットの施工範囲と干渉しないよう、あらかじめ計画を立てることが重要です。
なお、掛け時計やビスの設置など、事前に取り付け位置が決まっている場合は、施工時に対応可能なケースもあるため、事前に施工業者へ相談しておくと安心です。
定期的に換気が必要になる
調湿や脱臭に優れた壁材ですが、それだけでカビや結露、臭いを完全に防げるわけではありません。効果をより長く持続させるためには、日常的な換気が欠かせません。特に湿気の多い場所では、晴れた日に窓を開けるなど、空気の入れ替えを意識することで、エコカラットの性能をより引き出すことができます。快適な空間を保つには、日頃の環境づくりと併せた使い方が大切です。
簡単に取り替えることができない
専用の接着剤でしっかりと固定して施工するため、一度貼ると簡単には剥がせません。デザインに飽きてしまったり、他の壁材に変えたくなった場合でも、撤去時には下地の補修や再施工が必要となり、余分なコストがかかることもあります。そのため、設置場所や仕上がりをよく考えたうえで、長く使い続ける前提で取り入れることが大切です。
まとめ
エコカラットは、調湿や脱臭といった機能性に加え、インテリアとしての美しさも兼ね備えた壁材です。石目調や木目調、和モダンなど多彩なデザインが用意されており、部屋の雰囲気に合わせて自由に選べる点も魅力のひとつです。壁に取り入れるだけで空間全体の印象を引き締め、高級感や洗練された印象をプラスしてくれます。
価格はやや高めではあるものの、効果が長く続くことや、見た目の満足感を考えると十分に価値のある選択と言えるでしょう。注意点をふまえたうえで上手に取り入れれば、見た目と快適さの両方を叶える、後悔のない住まいづくりにつながります。